ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワン・ハン」の意味・わかりやすい解説
ワン・ハン(王罕)
ワン・ハン
Wang Khan
[没]1203
モンゴル,ケレイト部の部長。本名はトゥグリル (脱斡哩勒) ,ワン・ハンは通称,正しくはオング・ハン。ケレイト部は 12世紀のモンゴル高原中央部最大の部族であったが,内紛が絶えず,トゥグリルはイェスゲイ (也速該)に救われ,両者はアンダ (按荅)となった。その因縁から彼はイェスゲイの子チンギス・ハンを助け,メルキト,ナイマン両部を攻め,金国のタタール部征討に加担し (この功で「王」の称号を金国から得た) ,タイチュート族を討滅した。一方ケレイト部の内紛で困窮したとき,チンギス・ハンに救われた。しかしチンギス・ハンの台頭を憎むセングムやジャムハ (札木哈)の圧力に屈し,2人の友好関係は破れ,1203年に決戦。彼は敗走しナイマン部人に殺され,ケレイト部も壊滅した。
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