因縁(読み)いんねん

  • いんえん
  • いんねん ‥エン
  • いんねん〔エン〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仏教用語。直接原である「因」と間接的原因である「」とをいう。仏教では,あらゆるものが因と縁とによって成立し,また破壊すると考え,これを因縁生 (いんねんしょう) などという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

《「いんえん」の連声(れんじょう)
仏語。物事が生じる直接の力である因と、それを助ける間接の条件である縁。すべての物事はこの二つの働きによって起こると説く。
前世から定まった運命。宿命。「出会ったのも何かの因縁だろう」
以前からの関係。ゆかり。「父の代から因縁の深い土地」
物事の起こり。由来。理由。「いわれ因縁」「因縁話」
言いがかり。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

仏教用語。因はある結果を生ずるための直接の原因。縁はその結果を生ぜしめる補助的条件。すべてのものは無数の因縁によって成立すると考えるので,因も縁も相対的なものであり,創造者のような特定の原因ではない。漢訳仏典では縁起と同様に用いられ,仏教文学の一形式の名称ともなっている。→十二因縁

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

いんえんの音便。仏教では,すべてのものごとが生起したり,消滅したりするには必ず原因があるとし,生滅に直接関係するものを因と言い,因を助けて結果を生じさせる間接的な条件を縁として区別するが,実際に何が因で何が縁であるかをはっきり分かつ基準があるわけではない。因縁は〈因と縁〉と〈因としての縁〉の二通りに解釈されるが,この両者を一括して縁と呼び,因縁によってものごとの生起することを縁起(えんぎ)とも言い,また,生じた結果を含めて因果(いんが)とも言う。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

いんえんの連声。基本的な原因すなわちと、それを助成する機縁すなわち
事物を生ぜしめる内的原因である因と外的原因である縁。事物・現象を生滅させる諸原因。また、そのように事物・現象が生滅すること。縁起。
前世から決まっていたとして、そのまま認めざるを得ないこと。宿命。 これも何かの-だ
前々からの関係。縁。 浅からぬ-
由来。来歴。いわれ。 -を語る いわれ-
言いがかり。
[句項目] 因縁をつける

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

因と縁(えん)。直接に結果を生ずる「因」に対して、そのプロセスで間接的に働く諸条件を「縁」と称する。ときに因もしくは縁だけで、因と縁との両者をさすこともあり、また因縁といって一方をいう場合もある。仏教では、いっさいのものが因縁によって生じ、とどまり、変化し、滅すると考えて、他から干渉する超越的な作用を排除する。したがって、因に6種(六因)、縁に4種(四縁)、果に5種(五果)をたて、因―縁―果の分析はきわめて精密で鋭い。なお世界の諸思想史を眺めて、因の重視はあっても、縁に及ぶ深い考察は仏教のみといえよう。また縁は、因―果を積極的に助けるだけではなく、消極的に妨害しないというあり方も見逃してはならない。[三枝充悳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「いんえん」の連声)
① 仏語。結果を引き起こす直接の内的原因である因と、それを外から助ける間接的原因である縁。仏教ではすべての生滅はこの二つの力によると説く。
※法華義疏(7C前)方便品「従化城喩品以下訖授学無学人記品、明宿世因縁広開三顕一」
② 仏語。四縁の一つ。因としての縁。果を生ずる直接の内的原因。
※守護国界章(818)上「因縁四諦、広略異名」
④ 仏語。仏と結縁(けちえん)させるもの。仏道修行を励ますもの。
※権記‐長保元年(999)八月二六日「逝者平生常帰弟子、造次不忘、是大因縁也」
⑤ 前世からの定まった運命、関係。転じて、何らかのつながりを有すること。縁。ゆかり。特に姻戚にあたること。また、その人。
※九暦‐逸文・天暦四年(950)七月二三日「両府督或因縁、或近親也」
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「その孫、人のはらにやどるまじきものなれど、この日のもとの国に契むすべるいんえむあるによりて、その果報豊かなるべし」
⑥ (━する) ある状態をひきおこす原因になること。また、その原因。理由。わけ。
※霊異記(810‐824)中「師を召す因縁は、葦原の国に有りて行基菩薩を誹謗(そし)る。その罪を滅さむが為の故に、請け召すのみ」
※批評論(1888)〈大西祝〉「創作の時代は招て直に来る者にあらず、其来るや深く国家百般の情況に因縁す」
⑦ (━する) 根本や由来を探究し解明しようとすること。
※出定後語(1745)序「然而至其因縁道之義於細席也、則豈得説乎」
⑧ 来歴。由来。いわれ。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二「わしがはあこの六部になった因縁(インネン)のうかたり申べいが」
⑨ いいがかり。文句。無理な理由。→因縁をつける

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の因縁の言及

【公案】より

…仏や祖師の説法,もしくは問答を指す。機縁,因縁,話頭,または単に話ともいう。宋初につくられる禅宗史書の一つ《景徳伝灯録》に,過去七仏より編者の時代に至る,1701人の仏祖の名を掲げ,その問答を伝法の順に集録することから,一千七百の公案という発想があらわれる。…

※「因縁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ブルーインパルス

航空自衛隊に所属し華麗なアクロバット飛行(展示飛行)を披露する専門チーム。現在のチームは3代目となり、正式名称は宮城県松島基地の第4航空団に所属する「第11飛行隊」。チーム名の「青い衝撃」の意にちなん...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

因縁の関連情報