日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワーグナー・ヤウレック」の意味・わかりやすい解説
ワーグナー・ヤウレック
わーぐなーやうれっく
Julius Wagner-Jauregg
(1857―1940)
オーストリアの精神神経病学者。ウェルスの生まれ。ウィーン大学で医学を学び、1880年に卒業。1883年、同大学の精神科学教室助手となる。神経系統の病理学的研究を行い、1889年グラーツ大学医学部教授に任ぜられ、同大学の神経精神科教室を主宰した。1893年ウィーン大学精神神経学教授に転じ、促進神経・迷走神経に関する研究を行った。のち精神病に対する熱病の治療効果についての系統的研究を行い、1917年マラリア接種が麻痺(まひ)性痴呆(ちほう)の治療に効果があることを発見した。この発熱療法の創始により、1927年ノーベル医学生理学賞を受けた。
[大鳥蘭三郎]