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麻痺 まひparalysis

翻訳|paralysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

麻痺
まひ
paralysis

神経機構あるいは筋肉機構の障害によって,部分的な運動機能が喪失あるいは低下する状態。別に感覚機能の障害で起る知覚麻痺もある。運動麻痺は,脳内の運動中枢から末梢の筋肉線維までの経路で,神経が圧迫されたり,損傷して起り随意運動ができない状態。たとえば半身不随は,脳卒中などによって運動神経路が障害され,障害のある側の反対側の顔面,口や舌,上下肢に運動麻痺がある状態であり,脊髄性小児麻痺はウイルスによって,主として脊髄前角の運動神経細胞が破壊されて起る手足の運動麻痺である。また末梢神経の麻痺によって起る一部の筋肉の運動麻痺には,顔面神経麻痺など数多くがある。なお,程度の軽い麻痺は不全麻痺と呼ばれる。

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デジタル大辞泉の解説

ま‐ひ【麻×痺/××痺】

[名](スル)
しびれて感覚がなくなること。しびれ。「あまりの冷たさに指先が―する」
通常のはたらきや動きが停止すること。「大雪で交通が―状態だ」「彼の良心は―している」
脳・神経や筋肉が働かなくなって、運動機能や精神作用・知覚機能が失われること。

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百科事典マイペディアの解説

麻痺【まひ】

一般に運動麻痺をさし,神経系または筋肉組織の障害により筋肉の随意運動が著しく困難,または不能の状態をいう。一般に中枢神経系の病変により起こる中枢性麻痺は筋緊張が高まる痙(けい)性麻痺で,片麻痺(半身不随)などにみられる。
→関連項目運動障害マッサージ

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栄養・生化学辞典の解説

麻痺

 諸種の機能障害.例えば,感覚神経麻痺,痛覚麻痺など.

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世界大百科事典 第2版の解説

まひ【麻痺 paralysis】

頭部,四肢または体幹の筋肉の随意運動が障害された状態をいう。随意運動は,大脳中心前回の運動中枢から錐体路を経て脳幹の運動神経核および脊髄前角細胞へ至る上位ニューロン,そこから筋肉へ分布する末梢運動神経(下位ニューロン),神経筋接合部,および筋肉の働きにより遂行される。この経路のどこかが障害されると麻痺が生ずる。上位ニューロンの障害では病変部以下の半身麻痺(片麻痺)をきたすことが多いが,脳幹や脊髄の障害では両側性麻痺を示すこともある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

麻痺
まひ

脊椎(せきつい)動物において、意志によって行われる運動を随意運動といい、骨格筋にみられるが、この障害を麻痺とよぶ。麻痺はその程度によって完全麻痺と不全麻痺とに分類されるほか、その部位によって、たとえば一側の上下肢におこれば片(へん)麻痺、両側の上肢または下肢に対称的におこれば対(つい)麻痺などとよばれる。随意運動は、大脳皮質運動領から錐体(すいたい)路を経て、脳神経核あるいは脊髄前角細胞を介して、末梢(まっしょう)神経により骨格筋に刺激が伝達されておこるものである。このため、麻痺はまた、上部の障害によって筋緊張の亢進(こうしん)、深部反射の亢進を伴う痙性(けいせい)麻痺と、脳神経核あるいは脊髄前角細胞、およびそれより末梢(つまり下部)の障害によって筋緊張の減退、反射の減弱、消失を伴う弛緩(しかん)性麻痺とが区別されており、麻痺の状態により障害部位の推測が可能である。麻痺がある場合、臨床的には、握力および関節の屈伸力などの筋肉の脱力状態と、その部の体位、姿勢の異常を観察する必要がある。小児麻痺といわれるポリオは、ウイルス感染による急性灰白脊髄炎で、脊髄前角細胞の病変による弛緩性麻痺を特徴とするが、発育しつつある脳組織が障害された後遺症としておこり、知的障害、けいれんなどを合併する脳性麻痺は痙性麻痺の型をとる。なお、神経路の障害以外に、筋自体や神経筋接合部の障害、またはヒステリーによっても麻痺をおこすことがある。さらに、進行麻痺という用語があるが、これは神経梅毒による認知症を主症状とする麻痺性痴呆(ちほう)と同意語であり、振戦麻痺は老人脳の黒質におこる変性病変に由来する強剛と、ふるえを主徴とするパーキンソン病のことである。[渡辺 裕]

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