ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェルス」の意味・わかりやすい解説
ウェルス
Verus, Lucius Aurelius
[没]169
ローマ皇帝 (在位 161~169) 。前名ルキウス・ケイオニウス・コンモドゥス。同名である自分の父をハドリアヌス帝が後継者 (ハドリアヌスの庶子と推定される) と定めていたが,父が没したため,ハドリアヌスはアントニヌス・ピウスを後継者と定め,ピウスにルキウスとマルクス・アンニウス・ウェルスを養子として迎えさせた。ピウスの死 (161) 後,マルクスがマルクス・アウレリウス・アントニヌスとして皇帝となるや,ルキウスもルキウス・アウレリウス・ウェルスとして同時に皇帝となり,ローマ史上初めての2皇帝支配が出現。しかし実際上の権力は同等ではなく,彼自身その重責に足る人物ではなかったといわれる。アルメニア,メソポタミアに転戦 (162~166) 。パンノニア付近でゲルマンと戦った (167~168) が,その帰途,急死。
ウェルス
Wels
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