日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィーン大学」の意味・わかりやすい解説
ウィーン大学
うぃーんだいがく
Universität Wien
オーストリアの首都ウィーンにある総合大学。1365年ルドルフ4世Rudolf Ⅳ(1339―65)により創設され、ドイツ語圏最古の大学である。設立当初の3学部(法学、医学、文学)に、1384年神学部が加えられた。パリ大学をモデルに整備されたため、典型的な中世大学として発展した。16世紀の宗教改革期に一時衰えたが、18世紀なかばには神聖ローマ女帝マリア・テレジアの教育改革により、ふたたびヨーロッパ有数の学術機関としての地位を確立した。19世紀後半には経済学におけるオーストリア学派の中心となり、続くウィーン学派はとくに医学、法学、歴史学などの分野で名声を博した。1975年の大学組織法により、運営の民主化、社会的貢献などが図られたが、伝統的な姿勢を現在もなお崩していない。1999年現在、9学部(カトリック神学、プロテスタント神学、法律学、経済・情報科学、医学、人間・社会科学、人文・文化学、自然科学、数学)からなり、教員数約3400人、学生数8万7000人となっている。
[馬越 徹]