アクシアル結合(読み)アクシアルけつごう(その他表記)axial bond

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクシアル結合」の意味・わかりやすい解説

アクシアル結合
アクシアルけつごう
axial bond

シクロヘキサンは3回回転軸をもち,分子をこの軸のまわりに 360°の3分の1すなわち 120°回転すると初めと同じ構造になる。6個の炭素原子のおのおのに2個の水素原子が結合する場合に,その結合の方向が2種類ある。1つは3回回転軸と平行であり,これをアクシアル結合または軸結合という。他の炭素-水素結合はこの結合と 109°28′の角をなしている。この結合をエカトリアル結合という。簡単にそれぞれa結合,e結合ということがある。各a,e結合には環の上方に向いている結合と下方に向いている結合とがあり,シクロヘキサンは合計6個の炭素-水素アクシアル結合と,6個の炭素-水素エカトリアル結合から成る。炭素原子環の反転によってアクシアル結合はエカトリアル結合に,エカトリアル結合はアクシアル結合に変る。水素原子以外の原子団,たとえばメチル基やハロゲン原子が炭素原子に結合した場合はエカトリアル結合で結合している分子のほうがアクシアル結合の分子より安定。シクロヘキサン環が他の環状炭素と結合する場合も炭素-炭素エカトリアル結合を形成する。

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