アジャンタ壁画(読み)アジャンタへきが(その他表記)Ajanta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジャンタ壁画」の意味・わかりやすい解説

アジャンタ壁画
アジャンタへきが
Ajanta

インドのアジャンタ石窟にある壁画。 29ある石窟のうち絵画が最も豊富に残っているのは第1,2,16,17の4窟で,ここでは壁だけではなく,天井,柱にまで余すところなく描かれている。主題は仏伝,ジャータカ,如来像などさまざまで,題名のつけがたいものも多い。これら雑多な絵画にはデカン高原独特のものを中心として,南方系の表現もみられる。法隆寺壁画と比較される蓮華手菩薩像は第1窟の内陣の入口に大きく描かれている。また壁画はほかの窟の内外にも残存しており,そのうち最も古いものは第 10窟内の側壁帯状の画面を区画して描かれている仏伝,ジャータカの説話図で,前1世紀の作と推定されている。現在ではこれらの画面は変色して黒ずみ,識別しえないほどであるが,ここの壁画の模写 (線描) がハイデラバードのアジャンタ・パビリオンに展覧されており,その主題,表題などを知ることができる。また同じ窟内の天井,柱などには如来像や蓮華文様などが描かれているが,それらは6世紀頃に描き加えられたものである。

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