日本大百科全書(ニッポニカ) 「アプラ運動」の意味・わかりやすい解説
アプラ運動
あぷらうんどう
movimiento aprista スペイン語
南アメリカ、ペルーの中間階級を主体とする民族主義的な運動。アメリカ革命人民同盟Alianza Popular Revolucionaria Americanaを略してアプラAPRAとよぶ。20世紀初頭の北部沿岸地方の外国系糖業プランテーションへの反対運動が母体となり、メキシコに亡命中の学生運動の指導者アヤ・デ・ラ・トーレを中心に1924年に結成された。綱領には反米帝国主義、ラテンアメリカの統一、土地・産業の国有化など急進的な政策を掲げた。1933年にアメリカの善隣外交政策を評価して親米反共政党に転じたが、1956年まで7年間を除いて非合法化されていた。アヤの死(1979)後、アラン・ガルシアAlan García(1949―2019)という新しい指導者のもと、1985年に史上初のアプラ政権を誕生させた。この政権は債務問題に関して国際金融勢力と対立し、「反帝国主義」路線を復活させた。しかし情実人事や疑獄事件により国民に失望を与え、フジモリ政権登場の遠因となった。
[辻 豊治]