アラブ世界(読み)あらぶせかい

知恵蔵 「アラブ世界」の解説

アラブ世界

アラビア語が社会生活の言語となっている地域。イラクからモロッコまでのアラブ諸国とは必ずしも一致しない。イスラエルは、ヘブライ語と共にアラビア語を公用語としているし、イラン南部には、イラン国民としてのアラビア語生活者がいる。逆にスーダンの南部やイラク北部のクルド地域は、アラビア語世界ではない。ペルシア湾岸にはアラビア語とペルシア語バイリンガルが多く、モロッコやアルジェリアにはベルベル語生活者がいる。アラブ世界のアラビア語は多くの方言に分かれているが、コーランのアラビア語(正則語)がアラブ世界を1つに結び付けている。そこではアラブとはムスリム(イスラム教徒)に限られず、キリスト、ユダヤ教徒をも含む。

(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android