日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アンダーソン(Poul Anderson)
あんだーそん
Poul Anderson
(1926―2001)
アメリカのSF作家。ペンシルベニア州生まれ。ミネソタ大学で物理学を専攻。SF作家として広く認められたのは人類進化テーマの『脳波』(1954)を発表してからで、これは彼の代表作の一つである。両親がスカンジナビア人であるせいで北欧の神話・伝説・歴史に造詣(ぞうけい)が深く、アマゾン伝説を下敷きにした『処女惑星』(1956)、14世紀の十字軍に取材した『天翔(か)ける十字軍』(1960)のようなSFを得意とし、またタイム・トラベル・テーマの作品も多く、破滅テーマの『審判の日』(1962)からハードSFの『アーバタール』(1978)まで手がける作域の広い多才な作家であった。
[厚木 淳]
『榎林哲訳『処女惑星』(創元推理文庫)』