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脳波 のうは electroencephalogram; EEG

8件 の用語解説(脳波の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脳波
のうは
electroencephalogram; EEG

脳細胞の電気的活動を増幅器を用いて記録したもの。大脳皮質上,あるいは頭皮上の2点間の電位差を脳電図に記録して,てんかん脳腫瘍頭部外傷脳血管障害,脳炎などの診断に用いる。また,覚醒と睡眠など,脳の生理学的研究にも欠かせない

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デジタル大辞泉の解説

のう‐は〔ナウ‐〕【脳波】

脳細胞の活動によって発生する電位変化を体外に誘導し、増幅・記録したもの。てんかん脳腫瘍(のうしゅよう)などの診断や心理活動の研究に用いられる。脳電図。EEG(electroencephalogram)。

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百科事典マイペディアの解説

脳波【のうは】

1929年ドイツのハンス・ベルガーが発見。神経細胞の活動に伴って発生する微弱な電気変動およびこの電気変動を増幅し,ペン書記録器またはオシログラフで記録したもの。
→関連項目睡眠時実利彦メディカルエレクトロニクス

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栄養・生化学辞典の解説

脳波

 通常,脳電図,脳波図をいう.大脳皮質神経細胞に起こる興奮の電位変化(正式にはこれが脳波,brain wave)を増幅して記録したもの.

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デジタル大辞泉プラスの解説

脳波

米国の作家ポール・アンダースンの長編SF(1954)。原題《Brain Wave》。

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世界大百科事典 第2版の解説

のうは【脳波 brain wave】

脳から自発的に生じる電位変動で,脳電図electroencephalogramまたは略してEEGともいう。最初に動物の脳の電位変動を記録したのは,イギリスリバプール医学校の生理学教授ケートンR.Catonである(1875)。ウサギの大脳皮質から電気活動を記録し,音を聞かせたり,痛み刺激を与えると変化することをみている。ヒトの脳波を最初に記録したのは,ドイツのイェーナ大学の精神科教授H.ベルガーである(1929)。

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大辞林 第三版の解説

のうは【脳波】

脳の活動によって起こる電位変動。また、それを記録した図。癲癇てんかん・脳腫瘍しゆよう・意識障害など脳の疾患の診断の補助として広く応用される。 「 -計」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脳波
のうは
electroencephalogram

大脳皮質の神経細胞が出す電気的変化を増幅器で増幅し、オシログラフや用紙に記録したものをいう。ドイツの精神科医ベルガーHans Berger(1873―1941)は1924年、脳手術で頭蓋(とうがい)骨欠損のある患者の大脳皮質から活動電流の導出記録に成功し、1929年に発表、心電図に倣って脳電図Elektroenzephalogram(ドイツ語)と名づけた。EEGと略称される。
 脳波は、患者に侵襲を与えることなく簡単に記録できるため、脳機能障害を調べる有用な生理学的検査法となっている。すなわち、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍(しゅよう)、頭蓋内感染症などに適用されているが、とくに「てんかん」の診断において威力をもっとも発揮する。[加川瑞夫]

検査法

記録電極の位置により、頭皮上誘導法と特殊誘導法に分けられる。頭皮上誘導法は、種々の電極を用いて頭皮上から記録するが、電極の配列(モンタージュ)は通常、国際脳波学会標準電極配置法を採用している。特殊誘導法としては、側頭葉内部のてんかん焦点の検索のため、電極を経皮的に蝶(ちょう)形骨底部に刺入して脳波を導出する方法(sphenoidal lead)や鼻咽腔(いんくう)に咽頭電極を挿入する方法もある。また、てんかん焦点を決定するため、開頭手術により大脳皮質から直接脳波を記録する皮質脳波(electrocorticogram)記録法、深部電極を挿入し脳深部から記録する深部脳波(depth electrogram)記録法なども必要に応じて用いられる。
一般的な記録方法は、縦軸に電位、横軸に時間をとって標準感度(50マイクロボルトを5ミリメートル)で描記する。使用する電極は針または皿状電極で、これを頭皮上に左右対称的に19個(10‐20法(テン・トゥエンティほう))置き、単極誘導法、双極誘導法、あるいは平均基準電極法で記録する。単極誘導法は頭皮上に置かれた電極と耳朶(じだ)(耳たぶ)間の電位差を記録する方法で、双極誘導法は頭皮上の各電極間の電位差を記録する方法である。また、平均基準電極法は、すべての電極を結んで電位変動がもっともゼロに近い基準電極をつくり、この電極と各電極間の電位差を記録する方法である。そして、2か所の電極間の電位差を1単位(素子)とし、8~16素子脳波計に紙送り速度毎秒3センチメートル、標準感度(増幅度)50マイクロボルトを5ミリメートルで描記するのが一般的になっている。このようにして記録された脳波の波形は正弦波に近く、正常者では左右ともほぼ同じ波形(同期的)である。[加川瑞夫]

周波数による分類

脳波を周波数で分類すると、2分の1から3ヘルツまでがδ(デルタ)波、4~7ヘルツがθ(シータ)波、8~13ヘルツがα(アルファ)波、14ヘルツ以上がβ(ベータ)波となる。正常成人の基礎律動は、10ヘルツ前後のα波に少量の低振幅速波(β波)を混じたものである。[加川瑞夫]

脳波の判定

脳波は、周波数、振幅、波形の三つを検討して、正常脳波、境界脳波、異常脳波を判定する。このうち、境界脳波は、正常とはいえないが積極的に異常とも断定しがたいものをいう。[加川瑞夫]
正常脳波
異常波の出現がないものをいうが、正常者が正常脳波を呈するとは限らず、正常者の5~15%に異常脳波の出現をみるといわれる。また、正常な脳波は脳組織にまったく異常のないことの証明にもならないことはよく知られている。したがって、正常脳波の判定は、異常波の程度、年齢、臨床症状などを加味して相対的、経験的に下される。
 脳波は、年齢、睡眠(意識)、過呼吸、薬物および精神活動などによって著しく変化し、影響を受けやすい。
(1)年齢による変化 小児は発育に個人差があるため、脳波の個人差も著しく、正常範囲も年齢によって大きく異なる。1歳ころまでは規則的なα律動に乏しく、高振幅のδ波やθ波が中心になっている。年齢とともに律動性を増し、しだいに8ヘルツくらいの高振幅α律動成分が増加して10歳ころから成人のα律動に近づき始める。15歳ころには40~50マイクロボルト、10ヘルツのα律動が増えて成人脳波と大差がなくなる。一方、成人では4~6ヘルツ、高振幅θ波の出現をみなくなる。60歳以上の高齢者になると、α律動は8~9ヘルツと遅くなり、低振幅速波(β波)成分も増加する。
(2)睡眠による変化 脳波は睡眠の深さによって著しく変化する。入眠期(睡眠第一段階)ではα波の周期が遅くなって不規則な徐波が増す。軽眠期(睡眠第二段階)ではα波が消失し、14~20ヘルツの低振幅速波(漣波(れんぱ))や高振幅徐波(瘤波(りゅうは))の混在した状態になる。中等度の睡眠状態(睡眠第三段階)になると12~14ヘルツの紡錘波が出現し、深睡眠状態(睡眠第四段階)になると1~3ヘルツの高振幅徐波(丘波)が中心になる。そして、賦活(ふかつ)睡眠期(逆説睡眠期)を経て覚醒(かくせい)する。この覚醒期には眼球が水平方向に急速に運動する状態がみられ、この時期に寝言をいったり、夢をみていることが多い。これをREM(レム)睡眠rapid eye movement sleepともいう。
(3)開眼による変化 成人の安静覚醒時における閉眼状態の基礎律動は10ヘルツ前後のα波であるが、この状態で開眼するとα波は消失してβ波に移行する。この現象をαブロッキングα-blockingといい、暗算などの精神活動でも生じる。
 以上のほか、過呼吸、閃光(せんこう)刺激、音刺激、低血糖および薬物などによっても著しく変化する。このように脳波は種々の要因で変化するため、これらの方法は異常脳波の誘発に用いられている。これを脳波の賦活という。[加川瑞夫]
異常脳波
正常範囲を逸脱したものや、特殊な波形の出現をみた場合を異常脳波とする。
(1)周波数の異常 周波数は年齢によって著しく異なるが、成人の安静時閉眼状態の基礎律動は10ヘルツ前後のα波であって、徐波を恒常的にみることはない。とくにδ波の出現は異常で、これが限局性に出現すれば病的意義が大きい。
(2)振幅の異常 限局性に低振幅α波や150マイクロボルト以上の高振幅波が出現すると、異常脳波である。
(3)波形の異常 棘波(きょくは)(スパイク)は異常波の代表で、波形のとがった13ヘルツ(毎秒20~30ミリメートル)以上の速波をいう。鋭波はスパイクよりも遅い(毎秒80~200ミリメートル)持続性をもつ鋭い形の波で、本質的にはスパイクと同じものと考えられている。棘波や鋭波はいずれも「てんかん」に特異的な異常波である。棘徐波結合は棘波に続いて徐波の出現をみるもので、3ヘルツ棘徐波結合は、てんかん小発作にみられる。多棘徐波結合は連続した棘波に徐波が結合したもので、てんかん大発作やミオクロヌス(間代(かんたい)性筋けいれん)発作に認められる。高度律動異常(ヒプサルスミアhypsarrhythmia)は乳幼児点頭てんかんに出現する脳波で、高振幅徐波に鋭波や棘波がまったく不規則に出現する。
 なお、これらの異常波は安静覚醒時に出現するとは限らないため、異常波の出現を促す方法として睡眠、過呼吸、閃光刺激、音刺激、薬物などによる賦活法がある。
(4)脳波活動の停止 脳波活動の限局性消失は病巣診断に有効となる。また、脳波活動の完全消失は脳死の判定に用いられる。
(5)健常では当然出現するべき瘤波、紡錘波、薬物性速波等が、表在性の病変に影響されて出現しない状態をレイジィ/アクティビティーlazy activityという。機能障害が軽度で基礎律動に明らかな変化がないときには、局所性脳病変を診断するのに有用である。[加川瑞夫]

疾患による脳波の特徴

脳腫瘍では限局性徐波が出現しやすく、大脳半球腫瘍ほど、また悪性度の強いものほど異常波が出やすい。頭部外傷では、脳損傷が限局性の場合は有用であるが、重篤なものでは徐波化が著しくなって診断価値は乏しい。穿通(せんつう)性脳損傷では高率に外傷性てんかんを合併するので、脳波上、てんかん波の発現をみる。脳卒中などの脳血管障害では、特異的な脳波所見に乏しい。てんかんは脳波所見でもっとも有用性が高く、脳波検査は不可欠である。棘波や棘徐波結合などの異常波を高率に認める。[加川瑞夫]

脳波計

脳細胞の電気活動(電位差)は頭皮上で50マイクロボルト前後と低電位であるため、これを記録するには超高感度の低周波増幅器が必要となる。他方、感度をあげると種々の雑音が混入して良好な波形が得られなくなる。これらの問題を解決して完成したものが脳波計である。通常、8~16素子の波形を同時に描記できるようになっている。脳波計には設置型(卓上型)とポータブル型があり、専用の脳波室では設置型が使われ、病室や手術室などではポータブル型が用いられる。記録は通常、専用の記録紙にするが、オシロスコープに描出したり、テープや磁気ディスクに記憶させて脳波の解析が試みられている。[加川瑞夫]

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世界大百科事典内の脳波の言及

【ベルガー】より

…イェーナ大学精神科教授。1929年にはじめて頭皮上からヒトの脳波Elektroenzephalogrammを記録し,40年にはこの業績によりノーベル医学・生理学賞にノミネートされた。それで脳波のα波をベルガー波と呼ぶこともある。…

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