ウェルナー(Zacharias Werner)(読み)うぇるなー(英語表記)Zacharias Werner

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウェルナー(Zacharias Werner)
うぇるなー
Zacharias Werner
(1768―1823)

ドイツ・ロマン派の劇作家ケーニヒスベルクに生まれる。官能生活への惑溺(わくでき)と敬虔(けいけん)な信仰の間に揺れ動く不安定な性格に苦しみ、1810年カトリックに改宗。のちにカトリック司祭となり、晩年は説教司祭としてウィーン名声を博した。代表作『二月二十四日』(1810初演)は当時ドイツ演劇界を風靡(ふうび)した運命悲劇の先駆的作品で、偶然のなかに呪(のろ)いが完成してゆく宿命論的悲劇である。

[中井千之]

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