翻訳|conversion
特定の宗教の信仰を別のそれに変えること。これは外発的なものと内発的なものとに分かれる。前者は家族や職業などの要請にもとづき,共同生活を円滑に運ぶためにおこなわれる。後者は痛切な人生体験によって自己の属する宗教に疑問をもつことから生ずるもので,いわゆる〈回心〉に基づいてなされることが多い。西欧世界では,カトリックとプロテスタント相互の間で多くみられ,とくにカトリックから他派へ移る場合は棄教,離教,背教などと呼ばれる。日本では,近世初期のキリシタン弾圧時代に多くの改宗-棄教者(〈転(ころ)びキリシタン〉)をだした。仏教では宗派を変更することを転宗転派と呼ぶが,キリスト教世界ほどそのことを重大視しない。西欧ではとくに近代にいたってユダヤ人問題がおこり,ユダヤ教への改宗やそこからの離脱という行為が直接的に政治や思想の領域とからまり合うようになり,民族意識の形成や自己のアイデンティティの問題とも切り離せないものとなっている。
執筆者:山折 哲雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…インド仏教においては同様な宗教体験が〈信解〉〈転依〉などの語によって表現されていたと考えられる。現代語においてはキリスト教的な回心(かいしん)conversionの意味で用いられることが多い。【荒牧 典俊】。…
…換位conversionとならぶ伝統的論理学における直接推理の一種。換質とは命題の肯定・否定という質を換える推理であり,(1)肯定命題〈……はPである〉から否定命題〈……は非‐Pでない〉を導出すること,(2)否定命題〈……はPでない〉から肯定命題〈……は非‐Pである〉を導出すること,の2種がある。…
…原子炉中で,熱中性子では核分裂しにくいウラン238 238Uやトリウム232 232Thが中性子捕獲反応によって,238U+n―→239U (中性子の捕獲)239U―→239Np+β (半減期23分)239Np―→239Pu+β (半減期56時間)232Th+n―→233Th (中性子の捕獲)233Th―→233Pa+β (半減期22.1分)233Pa―→233U+β (半減期27.4日)という壊変を経た結果,熱中性子で核分裂を起こすことのできるウラン233 233Uやプルトニウム239 239Puに変化すること(上式でnは中性子,βはβ線を示す)。…
※「改宗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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