ウルネンフェルト文化(読み)ウルネンフェルトぶんか(英語表記)Urnenfeld culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルネンフェルト文化」の意味・わかりやすい解説

ウルネンフェルト文化
ウルネンフェルトぶんか
Urnenfeld culture

ヨーロッパ青銅器時代の文化。通常,死体火葬にし,その骨を甕に納めることから名づけられ,英語ではアーンフィールド文化と呼ばれて,火葬墓文化と訳されている。この文化は前2千年紀の後半に中央ヨーロッパで成立した。火葬の習慣ハンガリーのキサポスタグ文化などのなかにみられるため,これらの文化から生れたと考えるのが妥当であろう。やがて,この火葬の風習とその蔵骨用の甕と青銅器をもった文化は,北イタリアをはじめヨーロッパ各地へ広がる。そして,当時隆盛になりはじめたギリシア系の文化と接触しつつ,ハルシュタット文化に取って代られた。

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世界大百科事典(旧版)内のウルネンフェルト文化の言及

【ハルシュタット文化】より

…ローマに先立つヨーロッパの初期鉄器時代前半はハルシュタットHallstatt時代,後半はラ・テーヌ時代(ラ・テーヌ文化)と呼ばれる。ただし,オーストリアのザルツブルク東南東約50kmの湖岸にある,採岩塩・墓地遺跡の名にちなむハルシュタット文化は,A~D期に分けられ,ハルシュタット時代・文化はこのうちC・D期の時代・文化であり,A・B期は青銅器時代に属する。西はフランス東部から東はカルパチ盆地に至る火葬骨壺墓地(アーンフィールドurnfield,ウルネンフェルトUrnenfeld(ドイツ語))文化の人びとが,ギリシア,エトルリアなどの先進文化や乗馬の風習を積極的に採り入れて成立した。…

※「ウルネンフェルト文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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