エドガー賞(読み)えどがーしょう(英語表記)The Edgar Awards

知恵蔵の解説

エドガー賞

ミステリー作家協会(Mystery Writers of America、MWA)が1946年に創設した、米国で最も権威があるミステリージャンルの賞。米国の作家、エドガー・アランポーにちなんで命名された。
長編、ペーパーバック・オリジナル、短編、ヤングアダルト、テレビドラマなど多数の部門賞がある。米国で前年に出版、発表された作品が対象で、米国外の作品は、英訳され、米国で出版、公開された年が基準となる。毎年1月に各部門の候補作が発表され、春に選考結果が発表される。2018年は4月26日に受賞作の発表と授賞式が行われる予定。受賞者にはポーの胸像が贈られる。
過去の受賞作には、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』(1955年)などがある。近年は、長編部門で『晩夏の墜落』(ノア・ホーリー、2017年)、『地中の記憶』(ローリー・ロイ、16年)、『ミスター・メルセデス』(スティーヴン・キング、15年)、ペーパーバック・オリジナル部門では『Rain Dogs』(エイドリアン・マッキンティー、17年)、『The Long and Faraway Gone』(ルー・バーニー、16年)、『The Secret History of Las Vegas』(クリス・アバーニ、15年)が受賞した。
2018年1月の候補作発表では、「ベスト・ペーパーバック・オリジナル部門」の候補6作品に、日本の小説家、湊かなえの『贖罪』(しょくざい)が入った。同作は、田舎町で起きた殺人事件をきっかけに起こる悲劇の連鎖を描いた長編ミステリーで、09年に東京創元社から出版され、12年に双葉社から文庫が出ている。同年、テレビドラマ化もされた。
日本の小説家の作品がこれまでにエドガー賞にノミネートされた例として、長編部門で04年に桐野夏生の『OUT』(講談社)、12年に東野圭吾の『容疑者Xの献身』(文藝春秋)があるが、いずれも受賞を逃している。

(南 文枝 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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