オルケストラ(その他表記)orchēstra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルケストラ」の意味・わかりやすい解説

オルケストラ
orchēstra

建築用語。古代ギリシアの劇場構成のうち舞台の前にとられる舞踊,合唱のための円形土間。ローマ時代にはほとんどが半円形となった。現在「管弦楽」の意味で使用される「オーケストラ」の名称はこれに由来する。

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世界大百科事典(旧版)内のオルケストラの言及

【円形劇場】より

…演劇発生期の劇場の多くは,こういう形態をとっていた。たとえば古代ギリシアの劇場では,舞台後方以外の部分は客席に囲まれており,舞台前部の,コロスの演技に用いられたと考えられる円形のオルケストラと呼ばれる部分は,直接客席に接していた(この語から発した〈オーケストラ〉という英語は,現代アメリカでは1階の客席を指す)。古代ローマには,階段式の客席が競技場を囲む,アンフィテアトルムamphitheatrumと呼ばれる円形劇場があった。…

【ギリシア音楽】より

…これは演劇と舞踊と音楽が一体となった総合芸術で,特に音楽的に重要なのはコロス(合唱隊)である。コロスは悲劇の三大詩人アイスキュロス,ソフォクレス,エウリピデスの時代にはほぼ12~15人の集団で,オルケストラorchēstraとよばれる円形の舞台上で歌ったり踊ったりした。しかし前4世紀以降ギリシア音楽は急激に衰退に向かう。…

【ギリシア美術】より

…数百人から千人近くの議員をもつ評議会場(ブレウテリオン)は,長方形広間の3方に階段席を設け,屋根のある小劇場に似た形をしており,演奏会場(オデイオン)とほとんど区別がつき難い。劇場は斜面を利用して鉢状の観覧席(テアトロン)を造り,中央に円形のオルケストラ(平土間。コロスの舞踏場で舞台の一部)がある。…

【劇場】より

…【喜志 哲雄】
【西洋の劇場建築】
 近代にまでつながるヨーロッパの劇場建築の原型は,古代ギリシアにおいて完成された。前5世紀のギリシアの劇場は演技空間であるおそらく円形の平土間(オルケストラorchēstra)を斜面の観客席(テアトロン。〈劇場〉の語源)が取り囲むものであった。…

※「オルケストラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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