オートサボア県(読み)オートサボア(その他表記)Haute-Savoie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートサボア県」の意味・わかりやすい解説

オートサボア〔県〕
オートサボア
Haute-Savoie

フランス南東部,ローヌアルプ地域 (レジオン) の県。スイス,レマン湖の南方に位置し,アルプス山中にある。県都アヌシー。サボア地方 (旧サボイア公領) の北部に位置し,レマン湖岸と西部地区では,サレーブ山 (1375m) が急峻な山容をみせるほかは,石灰岩質砂岩のゆるやかな丘陵地。斜面は果樹園におおわれ,乳牛の飼育を中心とした農牧業地帯。南東部はスイス,イタリア両国との国境地帯でアルプス最高峰モンブラン (4807m) がそびえる。ムジェーブ,サンジェルベ,シャモニーなどの町が散在し,アルプス山脈中重要な観光地帯。その北側にはエギーユルージュの高峰 (2966m) が石灰岩の断崖をみせる。県中部はプレアルプス山地に属し,牧畜地帯を形成する。アルブ川下流域では穀類,野菜,ブドウ栽培などが行われる。同河谷北方のシャブレ地方は褶曲の押しかぶせ地層が浸食されてできた高原の森林地帯。工業では,セメント工業をはじめ,アルブの谷,アヌシー地区の時計の組立て,アルブ川のパシ・ダムに近いシェドの電気冶金,アヌシー,ファベルジュの繊維,木工業などがある。アヌシーの観光産業も重要。面積 4388km2人口 56万 8286 (1990) 。

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