オートピレネー県(読み)オートピレネー(その他表記)Hautes-Pyrénées

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートピレネー県」の意味・わかりやすい解説

オートピレネー〔県〕
オートピレネー
Hautes-Pyrénées

フランス南西部,ミディピレネー地域 (レジオン) の県。ピレネー山脈中部でスペインと国境を接する。県都タルブ。南西部ラブダン地方はガーブドポー (川) の流域で,同県中最も起伏が大きく,南側国境に沿って 3000m以上の峰が並び,南北方向の連絡路もない。フランスで最も有名なルルドの巡礼観光地をはじめ,ガバルニー,トルムーズの大きな氷河圏谷などがある。高地牧場による夏季の放牧が盛んで,肉用家畜,乳製品を生産。下流域では穀類トウモロコシジャガイモなどの栽培も行われる。この東側,アドゥール川上流域では山地の起伏が小さく,夏季放牧を副業的に行う農業地帯があり,南東部にあたるネスト川上流盆地では多角的農業,夏季放牧も行われる。平野部では牧畜地帯,穀物栽培地帯,多角的農業地帯が発達している。豊富な水量を利用した水力発電が盛んで,ピエールフィットネスタラス,スロムなどのガス化学工業,ランヌムザンのアルミ・化学工業,タルブの機械工業などが発達。バニェールドビゴール,コートレなどは夏季および冬季の観光,スポーツの中心地として発展がめざましい。面積 4464km2。人口 22万 4759 (1990) 。

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