日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルルド」の意味・わかりやすい解説
ルルド
るるど
Lourdes
フランス南西部、ピレネー山脈北麓(ほくろく)のオート・ピレネー県にある小さな町。標高400メートルの風光明媚(めいび)な巡礼地である。人口1万5203(1999)。1858年2月11日から7月16日まで18回、聖母マリアがこの町の貧しい少女ベルナデッドのもとに出現した。その結果、奇跡的な病気治療の霊泉が湧(わ)き出たという。これが「ルルドの水」として世界的に有名になった。現在、霊泉のある洞窟(どうくつ)の上に、新ゴシック風の美しい大聖堂が建てられ、毎年、世界各地から約500万人の巡礼者が集まる。そしておびただしい数の病人が運ばれてきて病気の治癒を求めていくが、少なくとも信仰、愛、忍耐、感謝という精神的な恩恵には浴するという。
[越前喜六]