ルルド(読み)るるど(英語表記)Lourdes

デジタル大辞泉 「ルルド」の意味・読み・例文・類語

ルルド(Lourdes)

ルールド

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精選版 日本国語大辞典 「ルルド」の意味・読み・例文・類語

ルルド

  1. ( Lourdes ) フランス南西部、ピレネー山脈のふもとの町。付近に、一八五八年に聖女ベルナデットの前に聖母マリアが出現したと伝えられるマサビエルの岩窟がある。カトリック巡礼地。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルルド」の意味・わかりやすい解説

ルルド
るるど
Lourdes

フランス南西部、ピレネー山脈北麓(ほくろく)のオート・ピレネー県にある小さな町。標高400メートルの風光明媚(めいび)な巡礼地である。人口1万5203(1999)。1858年2月11日から7月16日まで18回、聖母マリアがこの町の貧しい少女ベルナデッドのもとに出現した。その結果、奇跡的な病気治療の霊泉が湧(わ)き出たという。これが「ルルドの水」として世界的に有名になった。現在、霊泉のある洞窟(どうくつ)の上に、新ゴシック風の美しい大聖堂が建てられ、毎年、世界各地から約500万人の巡礼者が集まる。そしておびただしい数の病人が運ばれてきて病気の治癒を求めていくが、少なくとも信仰、愛、忍耐、感謝という精神的な恩恵には浴するという。

[越前喜六]


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改訂新版 世界大百科事典 「ルルド」の意味・わかりやすい解説

ルルド
Lourdes

フランス南西部,オート・ピレネー県の宗教都市。ピレネー山麓カーブ・ド・ポー川上流沿岸に位置する。人口1万7425(1982)。1858年,この地の貧しい粉屋の娘ベルナデット・スビルーBernadette Soubirous(1844-79)が,付近にあるマサビエル洞窟で前後18回にわたって聖母を目撃し,彼女の触れた岩から泉が湧出したといわれている。62年教会が造営され,72年から巡礼が集まり始めた。現在,巡礼の数が年間200万を超える大霊場である。ベルナデットは修道女となり,1933年に列聖された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルルド」の意味・わかりやすい解説

ルルド
Lourdes

フランス南西部,オートピレネー県の町。ピレネー山脈北麓,ガーブドポー (川) 沿いに位置する。カトリックの重要な巡礼地の一つ。 1858年,14歳の少女ベルナデットが洞窟内で聖母マリアの姿を見たとして,62年に教皇聖地とした。洞窟内にある泉は病気治療にききめがあるといわれ,その入口には快癒した人々の残していった松葉杖が掛けられている。年間約 400万~500万人の巡礼が訪れ,門前町が発達,観光産業のほかに電機工業がある。ベルナデットの生家水車小屋が保存されているほか,89年に創建されたバシリカ聖堂があり,さらに 1958年奇跡 100年を記念して造営された2万席をもつ大きな聖堂もある。人口1万 6581 (1990) 。

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百科事典マイペディア 「ルルド」の意味・わかりやすい解説

ルルド

フランス南西部,ピレネー山麓,オート・ピレネー県の町。家電工業などが行われる。1858年聖母マリア出現の奇蹟が起こったと伝えられ,聖母を目撃した娘が触れた岩から泉が湧いたといわれる。この泉は〈ルルドの泉〉として知られ,付近に教会が建てられ毎年約200万人の巡礼者がある。1万6301人(1990)。
→関連項目巡礼

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世界大百科事典(旧版)内のルルドの言及

【泉】より

…フランスのグリジーやサン・ソブール,イタリアのフォルリ等の泉は新石器時代・青銅器時代から治療に使われた跡があるとされる。1858年聖母マリアが顕れたとされる南フランスのルルドの泉も,特に8月15日聖母の被昇天祭には病気の平癒を願う巡礼者でにぎわう。ギリシア・ローマ神話では自然の力を表す樹木,川,泉は,ゼウスまたはオケアノスを父とし,母なる大地から生まれたニンフたちが守るとされた。…

【温泉】より

…たとえばフランスのシャルトルは中世期にはヨーロッパ最大の巡礼地であり,その地の大聖堂の真下には病者の心身をいやす泉があふれていた。またスペインとの国境沿いにあるルルドは1世紀ほど前にマリアの降臨という奇跡によって聖地になったところだが,そこにわき出る聖水はルルドの泉として知られ,巡礼者によって飲料・沐浴用に利用されている。これらの聖地の泉は必ずしも温泉とはいえないが,しかし熱湯浴を好む日本人と違って微湯浴を好む西欧人にとって,聖地における泉信仰はその心身治療的な機能において日本の温泉療法と類似する点のあることに注目すべきである。…

【奇跡】より

…使徒時代以後においては,奇跡は聖人たちの聖性についての神的保証とみなされることが多く,教会法のうちには奇跡の真偽認定のための手続が規定されている。近代におけるもっとも有名な奇跡は1858年南フランス,ルルドにおける少女ベルナデットBernadetteへの聖母マリアの出現と,その出現場所に湧出した泉による難病治癒である。1882年以降常設の医局が調査に当たっているが,1903年巡礼団付医師としてルルドを訪れ,みずから診察した死の患者の奇跡的な治癒を目撃したA.カレル(1912年ノーベル医学賞受賞)によって厳密な科学的研究への道が開かれた。…

※「ルルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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