精選版 日本国語大辞典 「放牧」の意味・読み・例文・類語
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家畜を草地に放し飼いにして生草を自由に摂取させる飼育法をいう。十分運動でき、新鮮な外気と日光に接しうるので家畜の健康にもよい。とくに子畜の育成には不可欠である。また直接生草が利用されるので養分の損失がなく、多頭飼育の場合は労力の省力化ができるので有利な飼育法である。放牧の対象となるのは主として肉牛、乳牛、ウマ、ヒツジ、ヤギなどの草食家畜である。放牧シーズンは草生期間である春から秋にかけてが適期で、普通はこの期間のみの季節放牧が行われる。放牧方式は多様で、放牧地を大きい一牧区のまま放牧シーズン中継続利用する連続放牧、放牧地をいくつかの小牧区に分けて順次変えて利用することによって草地を一定期間休息させて草生回復を図る輪換放牧があり、後者は牧野を荒廃させない合理的な方法である。これをさらに集約化して1日または半日だけ放牧させる広さの小牧区を多数設けて、家畜が触れると電気ショックを与える電気牧柵(ぼくさく)を順次移動させて家畜集団を小牧区内に追い込んで囲み、採食跡地の再生草の二度食いを避ける帯(おび)状放牧という放牧法もある。少頭飼養では草地に繋留(けいりゅう)して一定範囲の牧草のみを利用させる繋牧が行われることもある。
特殊な方式としては、植林地の下刈り労力の節減のため林内放牧したり、草種に対する選択採食性の差を利用して肉牛とヒツジとをいっしょに放牧する混合放牧がある。暖地で冬期放牧も可能な広大な牧野では年間通じて周年放牧が行われる。放牧地には牧柵、給水場、給塩場、庇陰(ひいん)林などが必要である。
[西田恂子]
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…体重400~600kg。強健で放牧に適す。(6)ブラーマン種Brahmanアメリカ南部でインド牛のカンクレージ種,オンゴール種,ギル種などを交雑してつくった熱帯地方に適する肉用種。…
…子つきの雌馬などは厩舎(きゆうしや)近くの柵内に自由に放し運動させる。放牧はウマにとってもっとも自然に採食,運動が行えるので,事情の許すかぎり行うとよい。放牧のやり方には舎飼いと併用する半舎飼いがふつうだが,昼夜連続放牧や周年放牧もある。…
…たとえばトウモロコシやオオムギ,ライムギ,ダイズ,サツマイモなどの子実やいもは,人類にとって重要な食糧であり,一般には食用作物として扱われるが,これらの子実やいも,茎葉を餌として与えるために栽培される場合は飼料作物として扱われる。飼料作物は,茎葉または地下部や子実など利用できるところはすべて餌として与えるが,茎葉を中心とした家畜への与え方には,放牧,青刈り,乾草(ほしぐさ),サイレージなどがある。 放牧は,草地に家畜を放し,牧草を自由に食べさせることで,広い面積を利用して粗放な畜産経営を行う場合に適した方式で,また家畜の健康にもよいとされる。…
…収穫は穂首刈りが麦についても行われ,脱穀は穂焼きを行っている。家畜も放牧であるが,作付けをする圃場と放牧地との関係は明確でない。この放牧場が作物作付畑と交替する形をつくっているのが隠岐の牧畑である。…
…近世に存在した隠岐の牧畑などは,このような過程で生まれた耕牧輪転の特殊な牧であるが,一般には村および民衆の利用する規模のより小さい牧が多くなる。そして民衆が共同で牛を放牧する大牧場(おおまきば)のほかに,より小規模の個人牧場としての小牧場(こまきば)も出現してくる。 これに対し幕府諸藩もそれぞれ公の牧を設け,牛馬の飼育に努めた。…
…もともと牧の畑という意味で,牧の一部を開墾して農耕地とし,耕作に利用しない期間は放牧地として村民の共同放牧にゆだねる畑地をいう。同じ土地がときには作物の作付けに,ときには牛や馬の放牧に利用され,農耕と放牧とが交替で転換する粗放的な土地利用法は,かつては対馬,種子島,屋久島などでも粗放畑作である焼畑段階の一異型として不完全ながら行われていた。…
※「放牧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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