鰹漁(読み)かつおりょう

百科事典マイペディア 「鰹漁」の意味・わかりやすい解説

鰹漁【かつおりょう】

カツオは重要な漁業対象魚で,日本では先史時代から食用とされており,縄文時代貝塚から骨が発見されている。古代以来,釣漁が主で,黒潮が流れる太平洋沿岸各地が好漁場であったが,伊豆国内浦(うちうら)などでは戦国期から建切(たてきり)網漁なども行われた。近世初頭紀州の高度な竿釣り技術を持つ漁民が渡海船で日向国などに盛んに旅漁するようになり,土佐国に鰹漁と鰹節製造法を伝えた。紀州漁民の旅漁は関東・東北地方にも及び鰹漁法などを伝えている。

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世界大百科事典(旧版)内の鰹漁の言及

【土佐国】より

…幕末には藩内で約130万俵生産されたと推定される。 漁業では古来カツオ漁が有名だが,近世以降,高岡郡宇佐(現,土佐市),幡多郡清水・中浜(なかのはま)(現,土佐清水市)などで盛んとなり,天保年間(1830‐44)には年漁獲高200万本の記録を残す。加工面では宇佐の播磨屋佐之助,中浜の山崎儀右衛門らが鰹節の改良と積出しにつとめ,江戸,上方で土佐節の名声を高めた。…

※「鰹漁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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