カヤキリ(読み)かやきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カヤキリ」の意味・わかりやすい解説

カヤキリ
かやきり / 萱切
[学] Pseudorhynchus japonicus

昆虫綱直翅(ちょくし)目キリギリス科に属する昆虫。とがった頭頂をもち、大形で体が太く、全体が緑色または褐色を帯びるキリギリスで、雄はジーンという強い連続音を出して鳴く。体長45~50ミリメートル、翅端まででは80ミリメートル内外。顔面はやや赤褐色がかり、前胸背板の左右の稜(りょう)に黄白色の条(すじ)をもつ。頭部は大きく、頭頂は三稜形でとがるが短い。前翅は幅広く、先端は丸くなる。雄の発音器は大きい。後肢(こうし)は体に比べてキリギリス科のなかでは短いほうである。雌の産卵管は長い。ススキ原などを好み、成虫夏季に出現する。雄は午後4時ごろから鳴きだすが、体色が草の色と紛らわしいため、近くにいてもみつけにくい。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android