カーシムアミーン(英語表記)Qāsim Amīn

改訂新版 世界大百科事典 「カーシムアミーン」の意味・わかりやすい解説

カーシム・アミーン
Qāsim Amīn
生没年:1865-1908

エジプトの思想家,作家出身は,ムハンマド・アリー朝下のチェルケス系支配層。ムハンマド・アブドゥフらのイスラム改革思想を〈自由主義的開明派〉の立場で継承した一人で,とくに《婦人解放論》(1899),《新婦人》(1901)によりイスラム倫理と西欧自由主義思想とを結合させようとした女性解放論者として有名。理想的文明は科学的だとするその立場には,歴史的な伝統によりイスラム自体が頽廃し,西欧の侵略がもたらされたとする,イスラム世界の危機意識が表明されていた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android