カード(乳製品)(読み)かーど(英語表記)curd

翻訳|curd

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カード(乳製品)」の意味・わかりやすい解説

カード(乳製品)
かーど
curd

乳汁が酸または凝乳酵素によって凝固したもの。乳中の主要タンパク質であるカゼインは、等電点pH4.6に達するか、またはチーズ製造用のレンネット酵素の作用によってヨーグルト状に凝固する。牛乳タンパク中のカゼイン含量は約80%だが、人乳中のそれは約50%なので、乳児の胃の中で乳汁が塩酸およびペプシン酵素で凝固するとき、人乳のカードのほうが柔らかく凝固し、消化がよいと考えられている。それゆえ、牛乳を加熱、高圧均質、カゼイン以外の乳タンパク添加などによって、もとの牛乳よりもカードが柔らかくなるような加工処理をすることをソフトカード化という。さらに昔からチーズ作りでカードを手がけてきた欧米人は、似たような食用凝固物もそうよんで、豆腐のことをsoy curdまたはbean curdなどという。

[新沼杏二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例