クチャ(庫車)遺跡(読み)クチャいせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クチャ(庫車)遺跡」の意味・わかりやすい解説

クチャ(庫車)遺跡
クチャいせき

クーチョ Kucheともいう。中国,シンチヤン (新彊) ウイグル自治区クチャにある遺跡。古代の亀茲国の城址は現市街の北方近郊にある。付近に仏教遺跡が多く,なかでも現市街の西方 24kmのクムトゥラ,それよりさらに西方 16kmのキジルなどは重要である。これらの遺跡は5~9世紀の平地寺院址,岩窟寺院址,住居址を含んでいるが,このうちキジルにある千仏洞と呼ばれる岩窟寺院群は有名であり,内部はペルシア風の手法で描かれた優美な壁面で満たされている。また仏教遺跡からは,トカラ語ソグド語,サンスクリット語などで書かれた経文や文書も発見された。 1910年代に主としてドイツの A.ル・コックや A.グリューンウェーデルらによって調査された。

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