クラスター展開(読み)クラスターてんかい(英語表記)cluster expansion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラスター展開」の意味・わかりやすい解説

クラスター展開
クラスターてんかい
cluster expansion

古典統計力学の有用な計算法の1つで,1936年に J.E.メーヤーによって完成されたが,のちに量子統計力学原子核多体問題などにも応用された。相互作用が働いている多粒子系の分配関数の計算は一般にきわめて困難であるが,粒子の密度がそれほど大きくなく,相互作用ポテンシャルの到達距離が粒子間の平均距離に比べて十分短ければ,ある時刻において相互作用を及ぼし合う粒子の数は比較的少数である。クラスター展開は全系の分配関数を少い粒子数が関与する積分に分解して近似する方法を与える。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android