分配関数
ブンパイカンスウ
partition function
ドイツ語の訳で状態和(Zustandssumme)ともいう.分子のi番目のエネルギー状態のエネルギーを εi,その状態の統計的力学重率を gi とするとき,
をその分子に関する分配関数という.ここで,kはボルツマン定数,Tは絶対温度.分子には飛行,回転,振動,および電子的の各種エネルギーがあるが,これらの間に相互作用がないときには,それぞれに関する分配関数を qt,qr,qv および qe とすれば,分子全体としての分配関数はこれらの積で与えられ
q = qt × qr × qv × qe.
N個の同種分子からなる系についての分配関数Qは,理想結晶では qN,理想気体では qN/N !で与えられる.これらの分配関数は,熱力学的諸量を分子に関する諸量から統計力学的に求めるときの基本となる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
分配関数
ぶんぱいかんすう
partition function
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
分配関数【partition function】
分子のもつエネルギー準位のうちで i 番目のエネルギー状態のエネルギーを εi,その状態の統計的重率を &scriptg;i としたとき
をその分子に対する分配関数という.k はボルツマン定数*,T は絶対温度である.別名の「状態和」はドイツ語の“Zustandsumme”の訳である.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の分配関数の言及
【状態和】より
…統計力学で重要な役割を演ずる関数で,分配関数partition functionともいう。いま,一定の粒子数,体積をもつ体系(気体,液体,固体など)が絶対温度Tの熱源と接触して熱平衡状態にあるとする。…
※「分配関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」