クリップス(Josef Krips)(読み)くりっぷす(英語表記)Josef Krips

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クリップス(Josef Krips)
くりっぷす
Josef Krips
(1902―1974)

オーストリアの指揮者。ウィーン生まれ。同地の国立音楽アカデミーを出て、ドイツとオーストリア各地の歌劇場指揮者を務め、1933~38年ウィーン国立歌劇場指揮者。ナチスに追われてウィーンを離れたが、45年復帰、同歌劇場の再建に尽力した。50年以後、ロンドン交響楽団、バッファロー交響楽団、サンフランシスコ交響楽団の常任指揮者を務めるかたわら、コベント・ガーデン王立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラなどに客演した。68年(昭和43)サンフランシスコ交響楽団と初来日。優美な演奏にみるべきものがあったが、晩年のアメリカでの活動は長所を生かしきれなかったうらみがある。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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