クリプティック層状構造(読み)クリプティックそうじょうこうぞう(英語表記)cryptic layering

岩石学辞典 「クリプティック層状構造」の解説

クリプティック層状構造

層状火成岩の底部から頂上部への順に鉱物組成が変化することを記載する際に使用した語である[Wager & Deer : 1939].二種類のcryptic layeringがあり,一つは固溶体系列の鉱物組成結晶分化作用によって連続的に変化する場合で,もう一つは特定の鉱物が結晶分化作用の特別な時期に晶出を始めたり止ったりする場合である.後の場合はヘスによって相変化層状構造(phase layering)と呼ばれた[Hess : 1960].一般のcryptic layeringでは,底部から上部に向って鉄マグネシウム鉱物のMgに対するFe比率が増加し,斜長石Caに対するNaの比率が増加する特徴がある.crypticには不可解な,訳の分からない,秘密のなどの意味がある.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android