クロムなめし(読み)クロムナメシ

化学辞典 第2版 「クロムなめし」の解説

クロムなめし
クロムナメシ
chrome tanning

クロム水酸化物塩による皮なめし.なめし液の基本構造は,[CrOH(H2O)5]SO4で,皮革を浸液加熱処理すると,配位結合,造塩反応,吸着が起こり,クロムは約3%(Cr2O3)吸着される.クロムなめし革は吸湿透湿性がよく,靴(甲革),袋物などに用いる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクロムなめしの言及

【皮∥革】より

…塩蔵皮が最も多く,成牛皮では飽和食塩水溶液に24時間浸漬(しんし)する方法(ブラインキュア)が行われている。また脱毛した皮を塩と硫酸の混合液につけたピックル皮(ヒツジ,ヤギに多い)や,近年ではクロムなめしまで行った未仕上げ革(ウェットブルー)が国際的に多くなる傾向にある。
[製造工程]
 製革の作業は準備工程,なめし工程,仕上工程に大別され,これらを含めて広義になめし(鞣)ということが多い。…

【毛皮】より

…(1)アルミニウムなめし(ミョウバンなめし) 白色柔軟で伸長性があるが,耐水耐熱性に劣る。(2)クロムなめし 耐水耐熱性に優れ,じょうぶで染色用毛皮に適しているが,淡青緑色に着色する欠点がある。(3)ホルムアルデヒドなめし,グルタルアルデヒドなめし ミョウバンなめしと組み合わせて行い,耐水性が向上する。…

※「クロムなめし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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