グラスホフ数(読み)グラスホフすう(その他表記)Grashof number

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラスホフ数」の意味・わかりやすい解説

グラスホフ数
グラスホフすう
Grashof number

自然対流による流れおよび熱伝達を決定する重要な無次元量重力加速度 g,固体表面と流体温度差 ΔT ,代表長さ l,流体の体膨張係数β,動粘性係数νを用いて,GrgβΔTl32 で表わされる。グラスホフ数が大きいほど粘性力に比べて浮力が大きいこと,すなわち自然対流の強さが大きいことを意味する。 (→ヌッセルト数 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

法則の辞典 「グラスホフ数」の解説

グラスホフ数【Grashof number】

高温物体により生じる流体の自由な熱伝導問題を扱うときに必要な無次元の数.流体の熱膨張係数と,高温物体と流体との温度差と物体の代表長さの三乗に重力加速度 &scriptg; を乗じて得た積を,動粘性係数の二乗で割った値に等しい.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグラスホフ数の言及

【対流】より

…流れを代表する寸法をL,流体の熱伝導率をλとしたとき,NuhL/λで定義される無次元数をヌッセルト数Nusselt numberと呼ぶ。次元解析によると,ヌッセルト数は,強制対流の場合,同じく無次元数であるプラントル数Prandtl number(流体の粘性率をμ,定圧比熱をcpとして,cpμ/λで定義される)とレーノルズ数の関数に,また自然対流の場合にはプラントル数とグラスホフ数Grashof number(重力加速度をg,流体の動粘性率をν,熱膨張率をβとしてL3βg⊿T2で定義される)の関数になる。自然対流や強制対流での熱の見かけの移動の速度は,流れの状態が層流か乱流かにより大きく異なり,そのときの熱伝達をおのおの層流熱伝達,乱流熱伝達と呼ぶ。…

※「グラスホフ数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android