熱伝達(読み)ネツデンタツ

化学辞典 第2版 「熱伝達」の解説

熱伝達
ネツデンタツ
heat transfer

熱移動,伝熱ともいう.2点間に温度差がある場合,高温度域より低温度域へと熱の移動が起こる.このときの熱の伝わり方には伝導,対流,放射の3種類がある.伝導伝熱物体を構成する分子の運動や熱振動により,対流伝熱流体の巨視的な運動(自然対流強制対流)により,また放射伝熱は熱放射線(主として赤外線)のかたちで,熱が伝わる現象である.加熱冷却,熱交換,保温,保冷などはすべて熱伝達操作である.反応温度の調節保持反応熱補給あるいは除去なども,化学反応における重要な操作である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱伝達」の意味・わかりやすい解説

熱伝達
ねつでんたつ

伝熱」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の熱伝達の言及

【クライオスタット】より

…物性測定や構造解析の目的で試料を低温に保つ装置。低温実験には不可欠の装置で,その基本構造は熱伝達の調節と熱絶縁の利用から成る。熱伝達は,(1)試料の周囲にある気体の分子運動に基づく熱伝導,(2)試料に接している金属やプラスチックなど固体の熱伝導,(3)物体からの輻射による熱伝導,の三つの形式による。…

【対流】より

…かつては,浮力による自然対流のみを指して対流と呼んだが,現在では強制対流をも含めて対流と総称する。 対流中の熱の移動,あるいは拡散にとくに注目するとき,これを対流伝熱と呼び,さらに固体壁面と流れの間の熱授受を指すとき,これを熱伝達という。熱伝達において,壁面の単位面積を単位時間に通過する熱量qを,壁面と流体の温度差⊿Tで割った値hq/⊿Tを熱伝達率と呼び,この値が大きいほど熱授受の良好さを示す。…

【伝熱】より

…対流のうち,流れが温度差に付随する密度差によって生ずる浮力に基づくものを自然対流,機械的仕事などによって強制的に起こされるものを強制対流,両者の影響をともに受けるものを複合対流と呼んで区別することもある。対流中の熱の移動,あるいは拡散にとくに注目するとき,これを対流伝熱と呼び,さらに固体壁面と流れの間の熱授受を指すとき,これを熱伝達という。熱伝達において,壁面の単位面積を単位時間に通過する熱量qを壁面と流体の温度差⊿Tで除した値を熱伝達率と呼び,熱授受の良好さの程度を示す。…

※「熱伝達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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