比重や比率などのように単位をもたない物理量。無次元数、無名数ともよばれる。その量の次元の表現において基本量に対応する因数の全指数が0である。
次元が1である量の値は単純に数のみである。「無次元量」という語が歴史的理由から一般に使用されている。これはそのような量の次元の記号表現において全指数が0であるという事実に由来する。ただし「次元が1である量」という語は、そのような量の次元の記号表現が記号1であるという取決めを反映している(ISO 31-0 : 1992、2.2.6項参照)。また、同じ次元の量同士の比をとった場合にも、得られた量は無次元となる。
無次元量の例としては、面(二次元)の角度、固体(三次元)の角度、線形ひずみ、摩擦係数、屈折率、質量分率、物質量分率、マッハ数、レイノルズ数、量子力学における縮退、コイルの巻数、分子数などがある。
[今井秀孝]
(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新