日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 グラーフ(Peter-Lucas Graf)ぐらーふPeter-Lucas Graf(1929― ) スイスのフルート奏者。チューリヒ生まれ。同地でアンドレ・ジョネ、パリ音楽院でマルセル・モイーズに師事、1953年ミュンヘン国際コンクールで第1位となり、独奏者として活動するようになる。74年(昭和49)初来日し、的確な様式感覚に根ざした知的な演奏を聞かせ、オーレル・ニコレに次ぐスイスの名手であることを示した。華やかさはないが、その演奏は清らかで自然な感興にあふれ、玄人(くろうと)受けのする高い技術水準を誇っている。[岩井宏之] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例