日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレイシャー」の意味・わかりやすい解説
グレイシャー
ぐれいしゃー
James Glaisher
(1809―1903)
イギリスの気象学者。ロンドンのロザーハイスに生まれる。20歳のときアイルランドの三角測量局に勤め、およそ3年間野外の作業に従事し、こののちケンブリッジ天文台長エアリーの助手となった。その後グリニジ天文台員となり、地磁気および気象の部門を担当し、1850年同好の士とともにイギリス気象学会を創立した。これに先だつ1849年、彼は、イギリス各地からの観測資料に基づき、初めて日々の天気図を描いた。その後、1851年ロンドンのハイド・パークで万国博覧会が開かれたときには、この天気図が一般の人たちにも売り出された。1862年には自由気球による高層観測を行い、10キロメートル以上に達したが酸素欠乏から気を失い、かろうじて降下して一命を取り留めたこともある。
[根本順吉]
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