日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲッティンゲン詩派」の意味・わかりやすい解説
ゲッティンゲン詩派
げってぃんげんしは
文字どおりには「ゲッティンゲンの森の同盟」Göttinger Hainbundと名のっていた若い詩人(主としてゲッティンゲンの大学生)たちの集団。年刊詩集『ゲッティンゲン詩神年鑑(ムーゼンアルマナハ)』をよりどころとして、1772年に発足、クロプシュトックを強く称揚し(集団の名称もこの詩人の詩『丘と森』に基づく)、啓蒙(けいもう)主義の合理的世界観に抗して直接的な情感を素朴に表現し、また自然や祖国への愛を熱烈に歌った。ボイエ、フォス、ヘルティ、ミラーJohann Martin Miller(1750―1814)、シュトルベルクChristian. R. Stolberg(1748―1821)、クラーマーJohann Andreas Cramer(1723―88)、ライゼウィツJohann Leisewitz(1752―1806)らがこれに属していた。
[田口義弘]