ボイエ(その他表記)Boye, Karin Maria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボイエ」の意味・わかりやすい解説

ボイエ
Boye, Karin Maria

[生]1900.10.26. エーテボリ
[没]1941.4.24. アリングソース
スウェーデン女流作家ウプサラ,ストックホルム両大学で学び,詩集『雲』 Moln (1922) でデビュー。その後フランスの作家 H.バルビュスが発刊した雑誌『クラルテ』を主軸とする社会主義運動 (→クラルテ運動 ) に参加,その中心人物となった。共産主義の発展により個人の人間性が喪失する未来都市の悲劇を描いた小説『カロカイン』 Kallocain (40) は遺書ともいうべきもので,その出版後まもなく自殺

ボイエ
Boie, Heinrich Christian

[生]1744.7.19. メルドルフ
[没]1806.3.3. メルドルフ
ドイツの詩人。「ゲッティンゲン林苑同盟」の一員で,機関紙『ゲッティンゲン詩神年鑑』 Göttinger Musenalmanach (1770~75) の創刊編集で知られる。また『ドイツ学術誌』 Deutsche Museum (76~88) ,『新ドイツ学術誌』 Neue deutsche Museum (89~91) を出した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボイエ」の意味・わかりやすい解説

ボイエ
ぼいえ
Karin Boye
(1900―1941)

スウェーデンの女流詩人、作家。学生時代から左翼運動に加わり、処女詩集『雲』(1922)以後『かくされた土地』(1924)、『炉』(1927)などで詩人の地位確立。小説『アスタルテ』(1931)、自伝小説『危機』(1934)のほか、全体主義の恐怖を描く未来小説『カッロカイン』(1940)で注目を浴びる。ボイエは性的倒錯症といわれ、うつ病が高じて自殺を遂げた。詩集『七つの大罪』(1941)は死後出版。精神分析学者フロイトの影響が指摘される。

[田中三千夫]

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百科事典マイペディア 「ボイエ」の意味・わかりやすい解説

ボイエ

スウェーデンの女性作家。異色の詩集《樹のために》,ナチズムに対する恐怖から生まれた小説《カロカイン》などがある。

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