シグナルトランスダクション(その他表記)signal transduction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シグナルトランスダクション
signal transduction

細胞ホルモン等の細胞外からのシグナルを受容すると,それをセカンドメッセンジャーとして別のシグナルに変換し,細胞内で伝達して特定反応を引き起こす。この過程がシグナルトランスダクションである。たとえば血糖上昇ホルモン受容体に結合すると,細胞内サイクリック AMP濃度が上昇し,それが蛋白質リン酸化酵素を活性化する。蛋白質リン酸化酵素は,血糖を上昇させる酵素をリン酸化して活性化し,細胞の反応として血糖を上昇させる作用が引き出される。シグナルトランスダクションは実にさまざまな生物現象と結び付いているが,最近では,分子生物学的手法を取り入れ,急激な研究の進展を見せている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android