シコツ・千歳(読み)しこつ・ちとせ

日本歴史地名大系 「シコツ・千歳」の解説

シコツ・千歳
しこつ・ちとせ

シコツはアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川・湖水山岳・場所などの名称として記録されている。一八〇五年(文化二年)に千歳(千年)改称

〔シコツ〕

表記は「志こつ」(元禄国絵図)、「しこつ」(津軽一統志・狄蜂起集書・蝦夷談筆記・松前主水広時日記・寛政蝦夷乱取調日記)、「シコツ」(「夷諺俗話」、武藤「蝦夷日記」、「駅路抵記」「協和私役」「観国録」、「蝦夷日誌」二編など)以外に異表記をみない。漢字表記は「志古津」(享保十二年所附、支配所持名前帳)、「志骨」(蝦夷商賈聞書)、「支骨(木村「蝦夷日記」、板本「東蝦夷日誌」など)、「志古都」(「蝦夷日誌」一編)、「思筍」(木村「蝦夷日記」)、「斯胡豆」(児島「蝦夷日記」)などがある。シャクシャインの戦に関連する「津軽一統志」によると「しこつ金山」があり、オニビシは金掘らを見舞ったところをシャクシャインに殺害されたという。また巣鷹は「しこつ」と「いしかり」が産地であるため、松前藩の派遣した鷹船の鷹師らが「しこつ」で上陸、シャクシャインに襲われている。同書の「松前より下狄地所付」の「いふつ」の項には「奥にしこつ 在家百軒程」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報