シビチャリ(読み)しびちやり

日本歴史地名大系 「シビチャリ」の解説

シビチャリ
しびちやり

漢字表記地名「染退」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名・場所名のほか河川名・岬名としても記録されている。天保郷帳には「シツナイ持場」のうち「シビチヤリ」とみえ、当地一帯は近代に入り下下方しもげぼう村に包含された。表記は「シビチヤリ」(「地名考并里程記」「協和私役」「廻浦日記」など)、「シヒチヤリ」(「東蝦夷地場所大概書」、玉虫「入北記」など)のほか平仮名表記では「しふちやり」(津軽一統志・蝦夷蜂起・狄蜂起集書)、「しぶちやり」(「蝦夷蜂起」・元禄郷帳)、「しびちやり」(蝦夷談筆記)、「しふしやり」(享保十二年所附)など、片仮名表記では「シビシヤリ」(「蝦夷商賈聞書」「北海随筆」、「蝦夷日誌」一編)、「シブチヤリ」(「蝦夷志」、秦「地名考」、「蝦夷日誌」一編)、「シフチヤリ」(狄蜂起集書・蝦夷草紙別録・蝦夷拾遺・蝦夷巡覧筆記・東行漫筆)、「シビチヤレ」(谷「蝦夷紀行」)などがある。漢字表記は「渋茶利」(支配所持名前帳)、「鮪茶里」(野作東部日記)がみられる。語義については諸説ある。秦「地名考」は「シブチヤリベツ」を説明して「古名シベチヤレと云。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

グレーゾーン解消制度

個々の企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。2014年(平成26)施行の産業競争力強化法に基づき導入された。企業ごとに事業所管省庁へ申請し、関係省庁と調整...

グレーゾーン解消制度の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android