シュトラスマン(読み)しゅとらすまん(英語表記)Fritz Straßmann

日本大百科全書(ニッポニカ)「シュトラスマン」の解説

シュトラスマン
しゅとらすまん
Fritz Straßmann
(1902―1980)

ドイツの核化学者。ハノーバーの工業大学を卒業し、1929年からベルリンのカイザー・ウィルヘルム研究所(現、マックス・プランク研究所)化学部で放射能の研究を始めた。研究のほとんどは化学部長であったO・ハーンやL・マイトナーらとの共同のもので、β(ベータ)放射性元素ウラン239、プロトアクチニウム233などの発見をした。1938年ハーンとシュトラスマンは、ウランを中性子で照射した際の生成物質のなかに放射性バリウムをみいだし、「これまでの核物理学の経験といっさい相反する」と報告した。この結果はただちにマイトナーとO・フリッシュOtto Frisch(1904―1979)によって「核分裂」と説明され、中性子の連鎖反応による原子力の実用化の可能性を与えるものとなった。第二次世界大戦中カイザー・ウィルヘルム研究所崩壊のあとも核分裂の研究を続け、戦後はマインツで研究を行った。1946年マインツ大学無機化学教授となり、無機化学・核化学研究所(現、核化学研究所)に勤務した。

[小林武信]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

羂索

《「羂」はわなの意で、もと、鳥獣をとらえるわなのこと》5色の糸をより合わせ、一端に環、他端に独鈷杵(とっこしょ)の半形をつけた縄状のもの。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android