日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョーンズ(James Jones)
じょーんず
James Jones
(1921―1977)
アメリカの小説家。イリノイ州生まれ。ボクサーあがりの天才らっぱ手の悲劇を中心に据えた暴露的軍隊小説『地上(ここ)より永遠(とわ)に』(1951)によって絶大な人気を博す。ガダルカナル戦記『細い赤い線』(1962)、友人の手で完成された遺作『汽笛』(1978)とともに三部作をなす。作風は概して自然主義的だが、中編『ピストル』(1959)は珍しく象徴的作風をとっている。中西部小都市の兄弟の物語『逃げてきた奴(やつ)』(1957)、ヘミングウェイばりのスキンダイビング物語『危険に親しめ』(1973)はともに性の葛藤(かっとう)が主要テーマ。ほかに短編集『アイスクリーム頭痛』(1968)などがある。
[寺門泰彦]
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