地上より永遠に(読み)ここよりとわに(英語表記)From Here to Eternity

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地上より永遠に」の意味・わかりやすい解説

地上より永遠に
ここよりとわに
From Here to Eternity

アメリカの作家ジェームズ・ジョーンズの小説。1951年刊。日本軍の真珠湾攻撃前夜、ハワイ駐屯部隊の醜悪な内幕を自然主義的手法で描く。天才的らっぱ手でボクサーあがりのプルーイットは、かつて過失から友人を失明させた体験を悔い、ボクシング大会出場を拒否したため、勤務の楽な中隊から別の中隊に移される。この隊で、戦友リンチ殺害した上官刺殺、自らも負傷して脱走娼婦(しょうふ)ロリーンの部屋にかくまわれる。やがて日本軍の空襲が始まる。プルーイットは指名手配下の身を冒して中隊に復帰しようと飛び出すが、途中で警備中の憲兵に射殺される。1953年フレッド・ジンネマン監督により映画化され、アカデミー作品賞などを受賞。

[寺門泰彦]

『山谷三郎・鈴木重吉訳『地上より永遠に』全3巻(1954~56・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「地上より永遠に」の解説

地上(ここ)より永遠に

1953年製作のアメリカ映画原題《From Here to Eternity》。監督:フレッド・ジンネマン、出演:バート・ランカスター、モンゴメリー・クリフト、デボラ・カー、フランク・シナトラ、ドナ・リードほか。第26回米国アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞(フランク・シナトラ)、助演女優賞(ドナ・リード)、脚色賞、撮影賞(白黒)、編集賞、録音賞受賞。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の地上より永遠にの言及

【シナトラ】より

…51年女優エバ・ガードナーと結婚したが57年に離婚。50年代初め,スキャンダルやレコード会社とのトラブル,また声帯を痛めるなど低迷したが,53年《地上(ここ)より永遠(とわ)に》でアカデミー助演男優賞を得,演技派に転向するとともに芸能界の大物となった。60年の《オーシャンと11人の仲間》ではD.マーチン,S.デービスJr.,ピーター・ローフォードら〈シナトラ一家Sinatra cran〉を率いて映画製作にも乗り出した。…

※「地上より永遠に」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android