スケネ(その他表記)skēnē

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スケネ」の意味・わかりやすい解説

スケネ
skēnē

古代ギリシア劇場の楽屋舞台を兼用する建物初期のものは天幕を張った木造の簡単な構造であったが,前4世紀以後石造に変り,3室もしくはそれ以上の室のある細長い建物となる。この前に列柱を立てたプロスケニオンが張出す。末期にはプロスケニオンの上も舞台として用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内のスケネの言及

【ギリシア美術】より

…コロスの舞踏場で舞台の一部)がある。その奥に2階建ての建物(スケネ)が建つ。舞台(ロゲイオン)はその2階床面の高さに造られ,舞台の下および後ろは芝居の背景や楽屋として使われた。…

【劇場】より

…〈劇場〉の語源)が取り囲むものであった。ヘレニズム期までには,オルケストラ背後の人工の高台にスケネskēnēと呼ばれる楽屋としての機能をもつ建物が造られ,その高台上のスケネ前の奥行きの浅い空間プロスケニオンproskēnionが俳優の演技の場として確立した。この時期の劇場のようすを知る好例はギリシアのエピダウロスの劇場の遺構(前4世紀)である。…

※「スケネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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