ズプコフ首相(読み)ずぷこふしゅしょう

知恵蔵 「ズプコフ首相」の解説

ズプコフ首相

ロシアでは2007年9月にフラトコフ首相の辞任を受けて、プーチン大統領は全く無名のビクトル・ズプコフ連邦金融監視局長(65)を次期首相候補に指名し、下院はそれを承認した。ズプコフ氏はレニングラード州の農業大学を卒業後、同州のソフホーズ(国営農場)や共産党組織の幹部として働いた。彼はその後税務関係の機関に移り、01年に財務省第1次官になった。プーチンとはサンクトペテルブルク時代以来密接な関係を有していた。ズプコフは政策的には食料品の価格統制など保守的な面を前に出しており、セチン大統領府副長官など強硬派のシロビキ(軍・治安関係者)との関係を強めた。首相の指名によって、大統領候補の一員になったとみなされたが、2007年12月にメドベージェフが次期大統領に指名され、その可能性は消えた。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2008年)

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