化学辞典 第2版 「チオ」の解説
チオ
チオ
thio
ギリシア語の硫黄θειον(theion)が語源で,次のように用いる.Oを含む原子団の,OがSで置換されたことを示す接頭語,接尾語,挿入辞.チオ硫酸は硫酸H2SO4のOがSに置換されたH2S2O3のIUPACが受け入れる慣用名.チオは,OがSに置換された基の直前に付けるのが原則であるが,慣用名ではチオ硫酸のように接頭語とすることもある.アルコール,フェノールの-OHのOが置換された-SHはチオールとなる.たとえば,フェノールはベンゼンチオール,またはチオフェノールC6H5SH.ケトンの接尾語-オンはでは-チオンとなる.たとえば,ブタノンはブタンチオンCH3CH2CSCH3,シクロヘキサノンはシクロヘキサンチオン(CH2)5CS.アルコキシRO-はRS-ではチオを挿入辞として用いてアルキルチオとなる.たとえば,メトキシはメチルチオ.エチルチオ酢酸(C2H5S)CH2CO2H,メチルチオベンゼンCH3S-C6H5など.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報