コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

チューク William Tuke

世界大百科事典 第2版の解説

チューク【William Tuke】

1732‐1822
イギリスのヨーク市の商人。クエーカー教徒で,60歳のときに,教徒の〈友会〉に,精神障害者のための施設を設けることを提唱した。当時,イギリスの精神病院では患者はわら床に寝かされ,鎖でつながれて,動物同然に扱われていた。〈友会〉の会員が精神病院で死亡したことが契機となって,彼の提唱は,〈ヨーク隠退所York Retreat〉の設立という形で実を結んだ。設立後,施設は代々子孫に受け継がれたが,この運動は現代精神医学のあけぼのとなった。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のチュークの言及

【精神医学】より

… 18世紀後半から19世紀前半には,精神病者へのこうした非人間的処遇に反対して立ち上がる人が出てくる。イギリスのヨーク市に理想的な施設〈ヨーク・リトリートYork Retreat〉をつくったクエーカー教徒の商人チューク,〈狂者を直接に治すことができるのは精神治療しかない〉として収容所の改革を説いた前述のライル,バイロイト近郊の施設を模範的な精神病院に建てかえ,病者と生活を共にした同じくドイツの医師ランガーマンJ.G.Langermannらがその例である。また,フランスのP.ピネルが,革命の進行しつつあった1793年8月25日,パリ近郊のビセートル病院で患者を鉄鎖から解放した事績は最もよく知られている。…

【精神病院】より

…93年にビセートル精神病院の院長となったP.ピネルは,フランス革命の最中に,諸方面の反対を押し切って患者を鉄鎖や手枷,足枷から解放し,精神障害者を病める一人の人間として扱うことを試みた。その後継者のイギリスのW.チュークはヨーク・リトリートYork Retreatを設立して,精神障害者の開放療法をすすめ,19世紀にはイギリスのヒルG.Hill,コノリーJ.Conollyらにより無拘束主義が発展した。20世紀に入ると,経済変動を核とする社会変動に伴って精神病院は閉鎖主義に逆行して再び暗黒時代を迎えた。…

※「チューク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

チュークの関連キーワードジグム・S. ワンチュークアレクサンドリンスキー劇場タイヘイヨウゾウゲヤシポメランチューク冷却法ジュリー クリスティ太平洋島嶼信託統治領ポチョムキン号の反乱エマニュエル モリファイチュック諸島超流動ヘリウム3ミクロネシア連邦ワシーリー1世ワシレフスカヤプルワット環礁オセアニア音楽独立国家共同体フェファン島ミクロネシアデ・ロバートサタワン環礁

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

チュークの関連情報