曾孫(読み)ひこ

精選版 日本国語大辞典 「曾孫」の意味・読み・例文・類語

ひ‐こ【曾孫】

〘名〙 (「ひひこ(曾孫)」の変化した語。「ひご」とも) 孫の子。ひまご。ひいまご。そうそん。
書紀(720)皇極即位前(内閣文庫本訓)「天豊財重日(あめとよたからいかしひ)足姫(たらしひめ)天皇は渟中倉太珠敷(ぬなかくらふとたましき)の天皇の曾孫(ヒコ)(〈別訓〉ひひこ)」
※宇治拾遺(1221頃)一一「それが子、孫、ひこ、やしは子にいたるまで、のこりなくとり殺しはて」
[語誌](1)古く孫をヒコ、曾孫をヒヒコと言ったが、ヒヒコからヒコが生じたために孫の意のヒコと同音衝突を起こした。室町後期にヒマゴという言い方が生まれると、上方では徐々にヒコが駆逐されていった。
(2)江戸など東日本では、ヒコが引き続き用いられ、マゴ(孫)、ヒコ(曾孫)、ヤシャゴ(玄孫)のように呼び分けられた。

そう‐そん【曾孫】

〘名〙
① (古くは「ぞうそん」とも) 孫の子。ひまご。ひこ。ひひこ。ひこまご。
続日本紀‐天平八年(736)一一月丙戌「昔者。軽堺原大宮御宇天皇曾孫建内宿禰尽君之忠
源平盛衰記(14C前)二七「秀衡と云は、下野国住人、俵藤太秀郷が末葉、日理権大夫経清が曾孫(ソウソン)、権太郎御館清衡が孫也」 〔書経‐武成〕
② 孫より以下の子孫の称。〔詩経‐周頌・維天之命〕

ひ‐ひこ【曾孫】

〘名〙 孫の子。また、子孫。後裔(こうえい)。ひこ。ひまご。そうそん。
古事記(712)中「又倭建命の曾孫(ひひこ)、名は須売伊呂大中日子王の女」

ひ‐まご【曾孫】

〘名〙 孫の子。そうそん。ひひこ。ひこ。ひこまご。〔羅葡日辞書(1595)〕
※虎明本狂言・薬水(室町末‐近世初)「子共孫どもひまご、たくさむにばんじゃうして」

ひこ‐まご【曾孫】

〘名〙 孫の子。ひこ。ひいまご。ひまご。そうそん。

ひい‐まご【曾孫】

〘名〙 「ひまご(曾孫)」の変化した語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「曾孫」の読み・字形・画数・意味

【曾孫】そうそん

ひまご。

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