日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツツジグンバイ」の意味・わかりやすい解説
ツツジグンバイ
つつじぐんばい / 躑躅軍配虫
[学] Stephanitis pyrioides
昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目グンバイムシ科に属する昆虫。体長3.5~4ミリメートル、体は黒色であるが、背面は灰色を帯び、鈍い光沢がある。背面のX字状紋は黒褐色。前胸背前半の嚢(のう)状突起は前縁がとがり、頭部の上側に完全に覆いかぶさる。左右の翼状突起にはそれぞれ3列の小室が並ぶ。ツツジ類に寄生し、葉裏から吸汁する。被害にあったツツジの葉には褐色の小斑(しょうはん)が現れ、ついには枯死する。卵で越冬。本州以南の各地に普通にみられ、ほかに朝鮮半島、中国、台湾をはじめ、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアなどに広く分布する。
[林 正美]